オーダーメード・サスペンションの薦め (サスペンション開発ストーリー) 




       
◆ 概 要 
 クルマのインテリアでシートのすわりごこち、ステアリングの手触りなどはいつも身近な場所だけにともて重要。 クルマをドライブしたときのそのクルマのフィーリングというのはエンジンフィールもさることながらサスペンションフィーリングというのが実は非常に大きな割合を占めています。クルマというものは妥協の産物。いくら良く出来ているといってもそのセッティングは万人向け。でもクルマのスポーツドライビングは人それぞれ、そしてそれぞれのステージも千差万別なはず。意のままに操れるかそしてなにより気持ちよくスポーツドライブ出来るか・・。 ダイレクトに感じるところだからこそもっとこだわってもいい部分だと思います。

 そして、サスペンションはどんなに高価なスペックであってもセッティングがあってなければすべて台無し。 その人のドライビングスタイル、クルマの仕様にしっかりとフィットしていることがもっとも大切 。 それはある意味ドライビングシートのチョイスと同じ感覚でしょう。 自分に合わない形状のシートは腰が痛くなるだけ。その価格だけで選べるものではありません。 やはり自分の感性にあったものが“最高のサスペンション”なのです。 

 A/m/sでは「オーダーメード・サスペンション」をご提案。 「量産スペックに飽きた」 「もっとこだわりのサスペンションが欲しい」 「レアなクルマなので代替品がない」・・・などなど。 どんなオーダーにも答えたいと思っています。

ワンオフ・サスペンション製作から自分仕様のオリジナルセッティングまで・・・
 A/m/sではサスペンションに関わる皆さんの“こだわり”にお答えします.



◆ 現 車 寸 法 測 定 ( 型 取 り ) 
 ワンオフサスペンションを製作するにはまず車両の寸法測定から始まります。リフトアップした状態でサスペンションの構造をチェックした上でサスペンションストロークを測定。 ノーマルのショックアブソーバーやスプリングのレートなども同時に測定します。 そしてノーマル状態を良く研究しながら周囲のクリアランス(ボディやタイヤ)をチェックします。またアッパーマウント形状やサスペンション形式をみた上でアライメントのよりフレキシブルな調整が可能であれば設計に反映します。

 ここで得られたデータからは“アームレバー比”なども算出され、これらデータが1次試作仕様を決定する重要なものとなります。ちなみにショックアブソーバーのボディまたはサスペンションアーム等への取り付け部の寸法は純正(または現在装着の部品)をそのまま再現するようにデザインするのが基本です。

 重要なのはストロークの測定。純正のスプリングを外しショックアブソーバーのみにすることでサスペンションを自由にトラベルできるようにすることで計測します。その際はタイヤを装着状態でもチェックをおこない最大限ストロークさせたときのタイヤ干渉やアーム干渉をチェックします。 旋回性能アップに車高を落とすことは必要不可欠ともいえますが、だからこそ縮側ストロークを限界まで確保することはもっともに大事になってきます。ノーマルのショックケースを短くすることで例えば10mmでも多くストロークを使い切れるようにしますが、近年の車両ではこの設計が非常に厳密に行われているために純正状態でギリギリの設計をされていて縮側ストロークを増やせないことも少なくありません。
 
 そして、忘れてはいけないのが安全率の検証です。部品強度はもちろんですが、スプリングの選定にいたっても簡単ではありません。 選定を間違えると限界付近でスプリング密着が発生して危険な状態に陥ったり、スプリングの設計荷重を超えてヘタってしまったり。 単純にバネレートだけではきまらないものなのです。 このくらいの車高設定、このくらいのバネレートが欲しいと思っても、アーム形式や干渉考慮しながら最大許容荷重を“何G”に設定するかがポイントとなります。 クルマによっては実はこのスプリング選定が一番難しいこともあるくらいです。



◆ 試 作 製 作 ( ス ペ ッ ク 決 定 )
 上記のようなステップで現車の寸法を測定した上で試作スペックを決定します。車体重量や使うステージを想定してある程度のバネレートを決めてそれに合わせた減衰力を決定します。この際に最も重要なのはユーザーお客様の理想とするコンセプト。どんなステージでどんな使い方をしたいのか。そしてどんな仕上がりを期待するのか。このようなフィーリングをお聞きした上でコンセプトを決定、それを考慮した完成を目指します。ちなみにこの時に車高をどれだけ落とすのかもある程度考慮しておく必要があります。

 車高を落とせば低重心化によってそれだけ旋回性能は上がります。ただしあまり下げすぎるとアームの動きが悪くなったりストロークが足りなくなるなどの弊害も出てきます。それを十分想定しながら暫定スペックを決めます。非常にベーシックな考え方ですが、スプリングレートは走るステージやスピードレンジで、減衰力はそのレート及びその人のドライビングスタイルである程度決まってくるとイメージしていただくのが分かりやすいかも知れません。 

 もちろん減衰力と一口に言っても硬い柔らかいだけではありません。 ドライビングフィールをつかさどる微低速(※)域、路面のうねりやギャップをスムーズにクリアするための高速域、そしてそれぞれに圧側伸び側の性格が微妙に絡み合う非常にデリケートなものです。いままでイマイチだったハンドリングがが仕様変更することで意のままに操れるようになる・・・この味付けはまさにサスペンションマジックともいえます。

(※ストロークしたときのピストンスピード)





◆ 試 作 装 着 ・ 走 行 テ ス ト ( 1 次 仕 様 ) 
試作品が出来上がると実車に装着して確認します。その際ストロークした全域での干渉や不具合をチェックするためにスプリングを外した状態でサスペンションアームやストラットをストロークさせます。

この取付け性の確認で特に不具合がなければ、いよいよ実走行に移ります。最初はまず街乗りと軽いワインディングでフィーリングチェック。このときに実は大体の完成度が分かります。(もちろん実車評価のデータ蓄積があるからですが・・) このチェック&トライで約60%位の完成度まで持っていきます。

 ここからはフィーリング評価になるのでA/m/sのドライバー小西の経験が生きてきます。最初に重視するポイントは接地感。この“しっとり感”といえるなんとも安心感のあるステアリングインフォーメーションはショックアブソーバーの減衰力がスムーズに発生しているか、そして伸びと圧のバランスや微低速域の減衰力が適正か・・これらサスペンションでもっとも大事な部分が判断できます。 その後スポーツドライビングに不可欠な初期応答性、回頭性をチェック。 これでバネレートもも含めた前後のロールバランスが確認できます。これがクリアするといよいラリーセッティングの本領ともいうべきギャップの走破性および収束性を見ます。これはラリーターマックスペックでは当然のことストリートユースにおいても重要なキャラクター。 これらが高い次元でバランスすれば1次仕様としては合格となります。

 ちなみにこのようなプロセスの間に、もろもろの不具合や現象がクルマの特性によるものなのかショックのセッティングなのかもある程度見極められます。 サスペンションセッティングはこのように非常に複雑なもの。 でもシンプルにいってしまえばどんなときでも重視するのは「ナチュラルさ」です。



◆ 走 行 テ ス ト ( 最 終 仕 様 決 定 ) 
 走行を繰り返していくうちにいろいろと細かい修正点が出てきますが、トライアンドエラーを経て最終仕様に向かいます。ここでもコンセプトを見失わないことが大事です。もし純粋にコンペティションユースであればタイムが出る足を追求すればいい。たとえばサーキット.もし路面コンディションの良好なサーキットであればスプリングレート選定の重要性が高くなります。 しかしラリーサスペンションはあらゆるステージでのパフォーマンスが求められるので高い次元でバランスさせるのが非常に難しいものです。 

 そんなプロセスは、いろいろな要素を欲張りにどれも満たしたいストリートスペックのコンセプトにも直結しているといえます。 ほとんどのユーザーがストリートでのパフォーマンスは重視するもの。 どんなサスペンションでも街乗りでの不快な突き上げやピッチングを極力排除するように最終味付けをします。

〜もっとも、セッティングの良くまとまった足であればちょっとの味付けですむ場合が多いものなんです・・・。



◆ より満足のいくサスペンションを目指して ( Try more )
 上記のようなステップを経て完成した商品はお客様のコンセプトに合わせてオーダーメードしたもの.しかしフィーリングという官能的な部分はあくまで十人十色。それでも実際に装着して使ってみるともう少しこうしたいという要望もあると思います。とくにサーキット派のタイムを突き詰める型であればよその傾向は強いでしょう。コンペティションを良く知るA/m/sだからこそ、その後の“作りこみ”もサポートしたいと思っております.
サーキット等への出張サービスも可能です.ご相談ください.
(※このサービスはオリジナルサスペンションの場合です./脱着工賃・出張実費は別途必要です.) 



◆ アフターフォロー (オーバーホール)
 エンジンやトランスミッションと同じく、どんなにいいショックアブソーバーでもそのオイルは数十万回におよぶストロークによる仕事で当然のこと劣化してゆきます。また下回り部品だけに雨水や埃などの過酷な環境のにさらされピストンロッドやオイルシールなどの痛みも少しずつ発生します。 もちろんグラベル用などではもっと寿命が短いこともあるでしょう。ショックアブソーバーはオイル漏れなどが発生したらもちろん早急なオーバーホールが必要ですが、路面からの衝撃も硬くてまだ大丈夫なようでも実は“ヘタリ”は進行しています。特にドライビングフィールを決定付ける微低速域が最初にヘタってくると、ハンドリングの悪化や不快な路面からの突き上げなどの現象があらわれ、いわば質の悪いフィーリングになるものです。

 使用条件にもよりますが、目安としては3年くらいでオーバーホールがいいかもしれません。  オーバーホールの際には、つねに進化するドライバーの技量、タイヤや駆動系などのクルマのスペック変更によって仕様変更もいいでしょう。 サスペンションにこだわるA/m/sだからこそ、いつも新鮮で質の高いドライビングフィールを感じてもらいたいと願ってます。 
※オリジナル製品についてはアフターサービスとして無料オーバーホール実施を行っています.
  (同時仕様変更も承ります./サスペンション脱着工賃は別途必要です)

※主な取り扱い ( TEIN | DMS | Proflex )
 〜その他( Aragosta | BILSTEIN |  OHLINS  |  Apex ) 等もお気軽にご相談ください.



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