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| 小西重幸のラリージャパン”ゼロカー”ドライブ レポート - reported by
Shigeyuki KONISHI - |

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| ◆ " 0 ( ゼ ロ ) カ ー ” と は |
去年トミマキネンがゼロカーを努めた“ゼロカー”を今年は自分がドライブすることになった。ゼロカーとは国際ルールで競技車であるファーストカーの前にコースセーフティを確保するために走行が義務づけられているオフィシャルカーの1台。セーフティカーは他にもインフォメーションカーや000(トリプルゼロ)カー、00(ダブルゼロ)カー、競技車の直前にゼロカーと続く。先行の“インフォ”と“000”がコースオフィシャルや器材のスタンバイをチェック、“00”はそれが機能しているかのより実戦的チェックとなる。ただし実際に“修正”が可能なのはここまで。0(ゼロ)カーは基本的にはコースマーシャルの実戦的緊張感を高めるためのものといえばわかりやすいだろうか。
これらセーフティカーはすべてHQ(ヘッドクオータ)中枢、通称“ラリーベース”のコントロール下に置かれ、有線・無線を巧みに使った完璧なコミュニケーションシステムでHQとダイレクトにつながる。それを表しているのが無線交信。交信はすべてHQを通して通信することになっていて、セーフティカーはおなじ周波数を使いながらお互いでの交信はできない。他にもリザルトやトラッキングなど3つの無線系統を使うがこの周波数はまさにラリーの生命線といえる。

2年目のWRC“日本” |

今年の0カーは新型インプレッサ。ホモロゲ(公認)がまだ無いのでラリーカーとしての登場は2006年から。 |

事前準備でパトランプ装着。サイレンの音が大きすぎて低速コーナーでペースノートが聞こえないのは誤算だった。 |

ルーフベーンの2段“SUBARU”ロゴ。今年はエアロダイナミクススタイルのパトランプ台座。 |

0カーもレッキをしながらコース状況をチェック。 |

ワークスと同じグループでレッキ。同時にこのグループのオフィシャルカーの役目も請けおいます。 |

続々と来るワークスチームのレッキカー |

オフィシャルカーといえど、レッキは他のエントラントと同じくノーマルタイヤで実施。 |

札内スーパーSSも監視。道路端の路上駐車への警告も・・ |

ゼロカーといえどキロ2秒落ちくらいで走ります。レッキもしっかりとペースノートを作成。 |
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| ◆ ラ リ ー ジ ャ パ ン で の 1 週 間 |
さて、今回ゼロカーははSTIが用意したまだホモロゲ-ションが取れていないため新型のインプレッサ。このイベントを走ることがプレアピール&データ収集となる。サポートは精鋭部隊のため他の完璧な体制だ。ラリー前、セーフティカーは主に装備品の装着が準備となる。パトランプ、スピーカー用のマイクそして無線機。そしてラリーが始まる前には入念なセーフティカーミーティングが行われる。ここでは最も重要な交信の仕方、各自の役割分担をセーフティプランやガイドに添って説明される。大舞台をコントロールするもっとも大事なミーティングともいえる。
いざラリーが始まると、コンペティターとは違ったたくさんの“仕事”が待っている。SSがスタートする時にHQへ無線報告。そして終了後はステージ状況を報告。時々オフィシャル配置やテレビクルーの立ち位置の危険度も情報として報告する。シートベルト、ヘルメット、インターコムとただえさえ準備の忙しいスタート前にサイレンON、マイクON、そして義務づけの記録用ビデオレコーダのONが加わる。おもわずチェックリストが欲しくなるほどだ。ちなみにウェットやギャップなどの路面コンディションも報告するが、国内ラリーだったら危険と判断する状況でもあくまでWRカーを基準として判断する。ラリー中には無線によって緊急情報も飛び交う。GPSシステムの活用によってトラブル地点が座標指定で特定できるためヘリによる捜索もスムーズ、またヘリからHQにダイレクトに映像を送ることで事態を早急・的確に把握できる。
それにしても今回は意外にもリエゾン区間が手怖かった。たとえばレグ1。SS(陸別)はファーストカーのほんの5分前の出走。ところが次の最長SS3では20分前・・つまりリエゾンの所要時間が競技車より少ないのだ。しかもオフィシャルカーである以上、ロードセクションで法を犯す走りをするわけにはいかない。とにかくタイトなスケジュール。次のTCへ到着したらそのままTCインなんてことはザラ。WRCに参戦しながらビギナー向けアベレージラリーに参加している緊張感をあじわうことになろうとは・・。
長く感じたラリースタート前もラリーが始まるとあっという間に時間は過ぎる。こうして2年目となる今年のWRCも無事にイベントが終了した。イベント運営の質という意味で世界的に見ても評価は高かったらしい。ラリー中は、ラリーを無事に終了させることが最優先、ラリーで誰が勝っているかなんてまったくどうでもよくなってくる仕事でもある。それだけにオフィシャルカーとしての任務を無事に終えて安心と充実感がある。ところで今回のゼロカーの仮想リザルトは?・・手元集計で総合21位というところか。ラリーはやはりエントラントとして出場してこそ、走り終わった後の本当の満足感があるというもの。そう意味で自分には“達成感”がちょっと物足りないWRCでもあった・・・。

セーフティカーミーティングは最も重要。
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いよいよセレモニアルスタート。1時間は群集の中。このときが一番疲れたかも!? |

ラリーが始まると沿道にはたくさんのラリー応援団。地元の歓迎度合いが伝わってきます・・ |

SS直前の風景。ゼロカーのスケジュールは超タイト。SSに到着したらすぐにヘルメットとベルトを準備してスタート・・という感じ。写真を撮るヒマもありません。 |

(サービス風景 その1)実戦に近いスピードで走行する上に、オフィシャルカーは絶対にトラブルは出せません。サービス体制もSTIのスペシャルチーム。 |

(サービス風景 その2)
ちなみに本番ペースの2キロ落ちくらいで走っただけでずいぶんマシンのダメージは少ないもの。 |

(サービス風景 その3)
フロントジャンプの着地でフロントバンパーの脇が外れかけ・・最近のバンパーはボルトオンではなく差し込むだけの取り付けなので外れやすい。 |

高山短大の学生メカニックもゼロカーサービスに興味津々。 |

途中の陸別のスタンドで予定外のガソリン給油。ラリー中、普通は出会うことのないワークスカーにも遭遇。向こうは陸別SSへ、こちらは陸別から次のSSへ。 |
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| ◆ 番 外 編 〜W R C の セ ー フ テ ィ |
このように非常に高いレベルのセーフティシステムをもつWRC。何百人ものオフィシャルが働き、これを的確にコントロールする。FIAレギュレーションである程度詳細までのシステムは決められているこれをスムーズに運営することはやはり主催者の努力と訓練の成果といえる。もっとも重要なのはしっかりとした指揮系統と組織、そしてコミュニケーションシステム。ラリージャパンのインサイドとして、これをダイレクトに実感できた。

各SSには救急車だけでなくこのような救急活動をする機材を積んだ車両が待機 |

WRCだけあってスタッフや機材を運ぶオフィシャルカーの量も膨大。この写真の3倍ほどのオフィシャルカーが稼動していた。 |

九州から運んだというスーパーアンビュランスもサービスパークに待機 |
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