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●目次● ●第1回● ●第2回● ●第3回● ●第4回● ●第5回● ●第6回● ●第7回●
★★初歩編★★
ペースノートって本当に役に立つのでしょうか?
海外ラリー、全日本ラリーの両方に出場しているが、海外では絶対的に必要。日本でもアベレージ60km/hを超えるようになると効いてくる。つまりスピードが高くなればなるほど必要だと断言しよう。速く走るための要素全体を100%とすればPN比率は海外80%以上、国内30〜60%前後って所かな。アベレージ50km/hぐらいのSSではコーションノート(危険を教えるノート)と割り切っても良いかもしれない。つまりPNの恩恵はアベレージスピードによって違うと考えたほうがいい。
「ラリーは3回走ると3回ともラインが違うと聞きますが?」
PNのないラリーでは当然1回目より2回目のほうが道の状況を知った分だけペースも速くなりライン取りも変わると思います。しかし、PN走法ではその走り方(ラインやスピード)がPNに盛り込まれていますので当然走り方はより平均化され3回の走行ラインはより似通ったものになります。この差はペースノートの精度が高くなればなるほどそしてPNを使ったレーダー走法が完璧に近づくほどその特徴は顕著になります。そうでないは・・・、ドライビング、PNのどれかがまだ未完成なのかもしれません・・・・。
どうやったらPNは手っ取り早く習得できますか?
はっきり言って手っ取り早くは無理です。
語学の習得と一緒でとにかく反復してなれることです・・。いままでのPN講座でも説明したようにステップは3つ、”作る編”、”読む編”、”聞いて走る編”。これを一つ一つ反復していく他にほうほうはないといえる。PN作りのファーストステップの”景色を言葉にする翻訳”は普段の通勤路やドライブ中に実践できる。なんとなく運転するのではなく常に呪文のようにノート作りをするのだ。出来るだけ声に出した方がいい。簡単そうに見えて以外にいろいろな発見があるはずだ。セカンドステップ以降は助けが必要。実りある練習にのためにコドライバーは最低必要条件です。もちろんある程度の経験者ならなお良いと思う。読んでもらったのを景色と照らし合わせる作業を繰り返す事が大事。あまり練習にいけないならテープにでも録音してもらってそれを聞くだけでも効果はあるはず。考えてみて欲しい。一生懸命走るときはカーステレオからの音楽なんか聴いていない。それなのにコドライバーからの呪文を一字一句聞くようにするんだから、簡単にはいかないはず・・。ただいえることは語学と一緒で取得すれば自然と新しい世界が広がることは確実だということです。
今、コドライバーに作ってもらっていますがドライバーが作らなければダメでしょうか?
基本的にはドライバーが作るものと考えてください。コドライバーの方がベテランであればそういうケースも多くあるでしょう。ただ、将来的にPNを使って速く走るという目標がある以上ドライバーが作るようにするべきと断言します。速く走るためのライン取り、ブレーキのタイミングなどはドライバーの方がより正確に速く走っている自分をイメージできるからです。
★★中級編★★
コドライバーがタイミングよく読めないんですが、何か解決策はありますか?
コドライバーにもドライバーと似たような距離感、時間間隔は必要。以前トレーニングしたことがあるが、距離を距離と捕らえていないケースが多いようだ。つまりコドライバーといえどもある程度のPNは自分で作れる能力が必要である。自分で運転しながらでも、ドライバーと運転を代わってでもノートを作る練習をしてみればいい。特に重要なのはストレートの長さの時間的感覚。つまり40mと100mではタイミングのとり方が違う。当然スピードの高い低いでもその時間は違うだろう。これをまず体で理解することだ。PNを見たときに単に数字ではなく40と100がちゃんと長さのイメージを持った記号に見えるようにすることが大事だ。それからコーナーによくつける”ロング”。これも時間的長さを感じ取れるようになりたい。これだけでもずいぶんちがうはず。
ただ一つ注意しなければならないのは、ノートの作りが悪いとロスとしたリもしやすくなることがあるということ。情報をいれすぎていたり、明らかに距離が違っていたり・・、いま一度ふりかえってみよう。もちろんこの場、コドライバーがしっかりと内容を理解している証拠でもあるが。
自分のはちゃんとしたノートなんだろうか?
PNはその人にとってベストなものかどうかは客観的に判断しにくい。判断基準としてはやはりそのPNを使うことでタイムがいいかどうかにつきる。なんていったってそのためのPNなんだから。つまりどんな書き方をしてもタイムがよければある程度いいノートであると言えるだろう。もちろんこの確認は勝手知ったる練習コースや、アベレージの低い(40〜50km/h)道で確認しても意味がないのは分かってもらえると思う。よく知らない道で2回のみレッキをして3回目に全開走行が出来るかがPN良し悪しの判断基準だ。一つ注意して欲しいのはリスクを負ったタイムの出し方をするノートはダメだということ。いくらタイムがよくたってそのペースで20km以上のステージを安全に走りきれるような正確さと危険個所の記入がなされているかどうかをチェックしてみよう。
レッキが遅くて、他の人の邪魔になりそうでPNに集中できません。
いろいろ考えるようになると、考えすぎてレッキ中悩んでしまうかもしれない。でも他の車両を気にしすぎてはダメです。もちろんカーブの出口など危険な場所で止まって考えたり、再確認のためバックしたりはご法度だけど、他の人のペースを気にするより、ステージをどうPNに表現するかに集中するべき。時々バックミラーを見て後続車がいたらどけてあげればいいことだし。
レッキが遅いからといって正確で忠実な良いノートが作れるとは限らないことをお忘れなく。本番中のスピードは非常に早いことを常に忘れてはいけない。レッキのスピードが遅すぎると表現が多くなりすぎてしまったり、高速セクションの危険個所を見落としたりして弊害も多い。大体30〜40km/hぐらいの一定スピードでレッキをするのがいいだろう。
付け加えるなら速すぎるレッキも弊害が多い。重要な情報を運転に集中するあまり逃してしまったり、間違えを訂正するひまも無く通り過ぎてしまったり。
ただ一般的にいえるのは、”遅すぎる人”はジャッジ(判断)が遅いビギナーに多く、また”速すぎる人”はPNの有効性をあまり活用しないで走る運転先行型の人が多いようだ。
★★上級編★★
PNあってもなくてもタイムがあまり変わらないような気がする。
どんなコースでしょうか? 最初の質問の回答のとおり確かにアベレージが低いと変らないかも知れない。もしろ慎重になりすぎて遅い場合もあるかもしれないし。アベレージの高いコースなのにPNによってタイムが代わらないのの要因としては、
1.PNの完成度が低い
2.PNを聞いていない
3.PNを信用して攻めていない
4.コドライバーがうまく読めない
5.ドライビングスキルが足りない
の4つが挙げられる。
4.5.は別として1.〜3.はセットともいえるものなのでどれかが良くなればどれかが足を引っ張る・・という繰り返し。いまどの部分が自分に足りないのか・・これを自問自答して高い次元でバランスさせることが大事だ。上級者なら5.の重要性は十分理解していることと思う。上級者むけの回答ということでなんとなく理解してもらえただろうか・・。
★★コドラ編★★
ドライバーが聞いてくれているのか不安。たぶんあまり聞いていないような気がします。
ドライバーはとかく走ることに熱中しがち。SSの終わりで読むタイミングはどうだったかと聞いて『特に問題ない・・』と答えたら要注意。それはコドライバーのあなたがよっぽどすばらしいかドライバーがあんまり聞いていなかったかのどちらか。どうも後者の方が結構多いケースだと言う話はよく聞く。本能的に走る人はとにかくPNを聞きながら走るなん結構最初は苦痛なもの。ましてや限界走行中は一生懸命になって余裕が無くなってしまうので当然の話かもしれない。もちろん訓練しかないんだけど、練習するときになるべくハイスピーなターマックを使う方がいい。スピードが高ければ当然目で見て走るだけでは怖くて攻められない。また、ターマックのほうが、外的要因で姿勢が乱れる事が無いのでPNに集中しやすいから。こんな練習中にコドライバーのあなたはわざと左右を逆に言うとか1行飛ばして読んでみるとか意地悪してみればいい。これで文句をいわないようだったらまず聞いていないだろう。PNを作るときに色々注文があってもそれがイコール『本番中聞いて走っている』事にはならないので、こんな練習もちょっと試してみては?もちろん”きつい”コーナーを”緩く”言うのは無しです。危険ですから。これは自分の経験なんだけど、アベレージが低い(50km/h以下ぐらい)でガレ場の林道やすべりやすいところでは運転に集中するのが大変なので意外とPNは参考程度にしか聞いてなかったりする。これはしょうがないでしょう。ドライバーを責めないように。
ドライバーが優柔不断で2回目のレッキで直しが多くて大変(コドライバー談)
2回目のノートは基本的には1回目に作ったノートの確認と危険個所の修正です。あまりにノートの直しが多いようだと結局2回目のノートも信用できませんね。これは1回で完成度の高いノートを作る練習するしかありません。1回目で70%ぐらいの完成度になるように一緒に訓練してあげてください。ここで注意しなければいけないことは、1回目の完成度を上げようとする意気込みのからベンド番号などの形状を考えすぎてかえって全体の出来が悪くならないようにすることです。レッキ中悩んだらとりあえずジャストライト(チョッとした右)とかごまかし用語でさっと忘れることです。もちろんどのコーナーもジャストじゃあ訓練が足りないだけだということを忘れないように・・。
★★表記編★★
こんなときどう表現したらいいんでしょうか?
《イラスト参照》こうするべきというのではなく、自分の場合はこうしている・・という例。ベストな表現は人それぞれ。いろんな人に意見を聞きそれを参考に自分で一番分かりやすい表現を見つけ出して欲しい。
ポイントは『簡潔な表現、直感的に違和感の無い表現』だ。
コーナーとコーナーの間の距離(アンド、イントゥーなど)。
こういうのは日本語でどう言えばいいんでしょう・・?
非常に難しい質問ですね。あえて言うなら・・たとえばの例です。
(こういう表現の人もいると聞いた)
アンド → から、すぐ、
イントゥー → すぐ、から、そく、
タイトゥン → クローズ、マイナス、きつい、
ドントカット → インダメ
英語でも日本語でも良いと思いますが、どっちか迷ったら発音の短いものにした方が良いと思われます。
★★番外編★★
海外ラリーに出場するんですがもう時間が無いんです・・。
PNは一日にして成らず。でも、時間がないならしょうがない。
最低これだけは準備してください。
1.コドライバーと使うシステムの打ち合わせ
2.コドライバーと最低1回のPNつくりの練習
(ドライバーはジャッジ練習、コドライバーは書き取り練習)
3.通勤途中などでのPNを作る発声練習
4.コドライバーはノートの速読発声練習
※システムで使うことばは最低
ベンド、距離、コーション、ロング、タイトゥン、クレスト、ドントカット
なお、ニュージーランドラリーなどオーガナイザーが用意したPNを使うことが出来るラリーもあります。これも事前に入手して各言葉の意味を把握しておく必要があります。最初は情報が多すぎるのでシンプルに書き直して使う方をお勧めします。いくら良い情報でも、最初は絶対にドライバーは聞いていないと思います。情報がありすぎるとかえってすべて”飛んで”しまう人も多いので・・。
「書籍で読みたい!」と言ってくれる方へ!
この「ペースノート講座」は、芸文社さんの雑誌「PD」に掲載されたものとほぼ同じ内容となっています。
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