●レースとの共通点
サーキットレースは確かにかっこいい。フォーミュラカーは本当に速く走ることだけを考えて作られた車であるし、GTカーにしても市販車両ベースとはいえ中身はまったくの別物。かっこ悪いわけはない。最初はあの形をかっこいいと興味を持ち、そしてサーキットでその姿を見るやその爆音と速さに度肝を抜かれ、すっかり魅了されてしまうのは誰も異論を唱えるところではないだろう。さらにそのメカニズム的なこともチームワークの戦いの部分も突っ込んで知れば知るほど奥が深く、たずさわる誰もが情熱的にそして真剣に取り組むからこそ惹かれていってしまう。
ラリーもフィールドが違うだけで、その魅力には共通点が多い。
●日本におけるラリー
ラリーは日本ではあまり一般的ではないかもしれない。ラリーという言葉は知っていてもまず思い浮かべるのは、あの”パリダカールラリー”である。”あれはラリーレイドといって速さ的な要素もありるがもっと耐久要素のつよいもの”と何度説明してきたことか。あのラリーがこれだけ認知度があるのもスター選手による自動車メーカーの宣伝活動によるところが大きい。こちらはもちろん世界的モータースポーツ。その中身を見れば先に話をしたレースと何ら変わりはない。
また、”ラリーは決められた指示速度で走ってその減点から正確さを競うんでしょ”という人もいるかもしれない。これも確かに間違ってはいない。いまでも日本中の多くの場所でこのタイプのラリーが行われている。しかし、これはスポーツ的要素が少ないと思う。なぜなら、スポーツとは公平的、体力的、戦略的そして精神的戦いだから。もちろん速く走ることを要求される”ハイアベ(ハイアベレージ)区間”というのもあるが・・・。
●さてラリーの魅力とは・・・
それはクルマを使って大自然の中で戦われる公道レースってこと。WRCを頂点とする”ラリー”これは絶対にレースと同じく誰もが心を奪われるはずのモータースポーツに違いない。日本では一般的でないかもしれないが、世界ではF1と対等に肩を並べるモータースポーツなのだから。もちろんラリーは前述したレースとの共通的”かっこよさ”を持つ。最初は普段見る車とよく似たマシン(だが何処かかっこいい)が大自然の中を躍動的に走り回るシーンをかっこいいと思い、ひとたびその爆音と速さを見ればたちどころに興味のない人も引き込まれるだろう。残念ながら日本ではこの爆音と速さを間近で体験することが出来ない。それが認知度が低い所以でもあるかもしれないが。では、ラリーとレースの違いはなんだろうか?それは自然による不確定要素にドライバーもエンジニアも翻弄される非常に奥の深いところである。もちろんレースも奥は深い。しかし、最近のテクノロジーの進化でかなりの部分がデータの勝負、つまりデータ―である程度勝負が決まってしまう事も多い。自分で長年やっていてそうなのだが実に奥が深い。勝負事の醍醐味は思いどうりにならない悔しさと、勝った時の喜びからくるものだ。プライベートチームで和気あいあいとやるのも楽しい、しかしチームとなってみんなが力を合わせたときの喜びもまたひとしおなのである。
●迫力ある走りイメージ・・
ラリーを体感してみたいと言われれば、当然”一番近くで行われるWRCを見に行ったうがいい”と答えるが、海外旅行だって安くはない。大金をはたいてでもWRCを見に行くと言う「熱狂的ラリーファン」を除いては海外にラリーを見に行くなんてことはないだろう。一番近いところはニュージーランドかアーストラリアだろうがこれだって10時間以上のフライトだ。気安くはいけないと思う。かといって日本で行われているラリーはいままでの日本の交通事情的背景から参加型イベントであって、決して見に行って非現実的なものを見れる”ショー的要素”はない。むしろ、”ラリーってこんなものか”という落胆めいたものを持ち帰ってもらうことにもなりかねない。これは、どんなラリーファンだって望んではいないだろう。
じゃあどうすれば・・? たとえば全日本ダートトライアル選手権を見に行くこともありだろう。こちらは日本全国各地で転戦しているので身近な場所で開催される機会はあるだろう。ここではほとんどふだん走っている車と変わらないナンバー付き車両もあるが、爆音の改造車がお勧め。これこそが非現実の世界。トライアル場で行われる競技、そういう意味でダートトライアルはサーキットレースのダート版ともいえるかもしれない。がしかし、このようなマシンが普段自分たちの身近な公道を走ると置き換えればこれは心躍ることであろうことは想像できると思う。まさに日本以外ではラリーイベントでこのような迫力と躍動感が体感できる。
●ラリー観戦のススメ・・
そして、やはり全日本ラリー選手権はぜひ見てみたい。JRCA(全日本ラリーアソシエイション)のホームページをみてみればさまざまな情報が載っている。比較的行き易い地域での開催もあるかもしれない。そこで公道を疾走するマシン。これをぜひ見てみてほしい。しかしながら、日本では一般公道を使用する競技だけに、制約も多い。たとえば、マフラーの音量。モータースポーツはスピードとともに音の迫力も重要な要素。
ということで、全日本ダートトライアル改造車両のあの音の迫力、そして全日本ラリーのあの公道を疾走する異次元の迫力。これを併せ持ったようなイメージがWRCといえるかもしれない。興味を持ったらぜひ一度、観戦をしてみて欲しい。簡単ではないでもその感動は実際に見てみなければわからないだろう。